フリックス・コレクション(9)
フレンチ・ロリータ

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ナスターシャ・キンスキー
男の手から運ばれたイチゴを、上目づかいの眼差しで、おずおずと唇に押し込むその仕草が、何とも言えず官能的だった「テス」のナスターシャ。当時19歳だった彼女は、その頃、監督“ロマン・ポランスキーのロリータ”といわれていた。大きな瞳の奥に秘められた妖しい輝きと、厚みのある肉感的な口もと。そのどれもが、怪奇俳優と言われた父親クラウスの面影を引きずり、美と醜のはざまで絶妙なバランスをとっている。そのあやうさからは、ロリータの名にふさわしい魔性の匂いを強烈に発散させていた。その後「マリアの恋人」では、手を触れることもなく、息子の嫁をただ見つめるだけのロバート・ミッチャムのロリータとしてのマリアが、ことのほか強烈なエロティシズムを発散させていたし、「パリ、テキサス」では、ハリー・ディーン・スタントンのロリータに。こうしてナスターシャは幼さと決別し、ストイックな愛に生きる永遠のロリータになったのだった。
NASTASSJA KINSKI
1961年1月24日、ベルリン生まれ。父は性格俳優の故・クラウス・キンスキー。78年にヴェンダースの「まわり道」で女優デビュー。80年のカンヌ・グランプリ作品「テス」で一躍スターダムに。その後「ワン・フロム・ザ・ハート」など、アメリカ映画に進出。「パリ、テキサス」で、名実共にトップ女優の地位を築く。最近公開作は「太陽は夜も輝く」。

この記事と画像はSALADAさんに提供していただいたものです。感謝!

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