JAPANESE | ENGLISH

ナスターシャ・キンスキー インタビュー

(By Indian television dot com / Posted on 23 August 2003)


“私は違うことをやりたい、言い換えるなら、違うふうにやりたいの”

ホールマーク(・エンタテインメント)は作品『罠』をサスペンス風に味付け、観客たちへ向けたスリルを全面的に演出した。この作品は8月24日の夜10:15より放送される。ナスターシャ・キンスキーが演じるのは、過去を忘れさせてくれる魅力的なハンサムに出会い、人生をやり直すことに希望をもつ未亡人である。しかしながら、この男が隠し持っていた過去の闇の部分が現れ、状況は一変するのだ。

悪夢のようなシーンは、予兆的な一本の留守録メッセージとちょっとした暴力から始まる。日常を脅かす状況というのはいつでも突然やってくるものなのだ。

ドイツ生まれのキンスキーは女優として現在までに長いキャリアを積んできた。そのスタートは30年近く前のことであり、『テス』や『キャット・ピープル』、近作で言えば『僕らのセックス、隣の愛人』で演じた(恋人とのコミュニケーションに躍起な)レズビアン役といった多様な仕事ぶりで名声を得たのだ。Indiantelevision.comのアシュウィン・ピントによるEメールインタビューにて、キンスキーは『罠』における自分のキャラクター、女優という職業を選択した理由、それと同時に結婚や子供を設けることが仕事へのアプローチにどういった影響を与えるのか、ということについて語った。

『罠』という作品の中で、主人公が経験した心の動きについてどう捉えましたか?

『罠』は素晴らしい作品でした。主人公は映画の場面が展開するごとに違った感情を表現する必要があったのです。それはチャレンジでしたし、この作品で最も気に入っている点です。

あなたが主人公のパーソナリティとして表現しようとしたものは何ですか?

個性の強さ、でしょうか。

“若いころは、たった一回のチャンスを逃すまいと、何もかも自分の手中に収めようとしたものよ”

いままでに作られた幾多のサスペンスもの、サイコスリラーものの映画と比較すると、この作品はまた別の新しいジャンルに属すのではないでしょうか?

スリラーものだったら観客をぞくぞくさせるものでしょうからね! それこそがこの映画のプロットなのでしょうし、ストーリーの展開が重要だと思うのです。

人々はそれら全てを同じジャンルのもとして扱いがちだけど、それはあまりにも幅がある解釈ですよね。あなたは作品によって観客への怖がらせ方が違う、ということによく気付いていると思います。

あなたがプロの女優としてモットーとしている主な要素は何ですか?

小さいころは医者になりたいと思っていたんですよ。プロというものがどうあるべきか私は良くわかっていなかったけど、ただお医者さんが着ている白衣に憧れていたんです。

若いころは、たった一回のチャンスを逃すまいと、何もかも自分の手中に収めようとしてましたね。最初はモデルの仕事から始めて、それからポランスキーの勧めでいくつかちゃんとした演技のトレーニングを行ったんです。そういう学校に通ったのは、彼が私をテスに出演させることを決めたときだけだったけど。

映画への出演契約を結ぶとき、決定材料となるものはなんですか?

そういう期間、私の優先事項となるものっていうのはころころ変わるんですよ。だから出演を決める基本的な要素というものを持つんです。例えば最近だと、より成熟した役、それでいてさまざまな要素をもったキャラクターというものを演じたい。私は違うことをやりたい、というか他の人とは違う風にやりたいんです。

作品のキーとなるシーンで即興を入れたりすることはよくあるんですか?

もちろん。そういうシーンというのは完璧であることを求められてるし、監督はもちろん自分自身をも納得させる必要があります。何回もやり直すことが常に大切なんですよ。

あなたは『僕らのセックス、隣の愛人』でニール・ラビュートと仕事をしました。多くの人が彼をペシミスト(悲観主義者)と捉えていますよね。というのは彼のデビュー作である“In The Company of Men”がそうだったように、いかに男と女がお互いを利用し、虐待しているかということを探求しているからです。あなたの意見は?

ニールは独自のスタイルを持っている人でした。彼は才能があるし、自分のやり方を貫いていると思います。彼の仕事ぶり意見しようとは私は思いません。

自分がやる全てのことに関して、仕事振りを評価する評価する人もいるし、全く評価しない人もいます。自分がやっていることを信じて、確信を持つガッツがある人は非常に少数だと思うんです。他人がどう思おうと、常に前向きに物事をやる人というのはね。

キャサリン・キーナーとキスをするということで不快感はありませんでしたか? あなたが彼女と楽しんだというのはどういった親密な関係というのはどういったものだったのでしょうか?

いいえ、そのシーンを撮影する間、全く不快感などありませんでした。キーナーも私もお互いプロですからね。私たちはお互いどうあるべきか判っていました。どんなシーンでも私たちはお互いのベストを尽くそうと思っていたのです。

この作品は愛情を欲する人と愛情を分け合うということを描いていました。片方が女性だったとしたら、たまたまもう片方も女性だったということね!

『アメリ』の成功によってアメリカや他の国々に公開されているヨーロッパ映画が発展すると思いますか? それとも『アメリ』のような一発屋的な成功に終わるのでしょうか。

最近では世界的に評価を受けている多国籍な映画をたくさん見ることができるようになったと思いますね。作品/監督/俳優のどれもが認知されてきて、名声を得ている。『アメリ』は非常によく出来た映画だったし、賞賛を受けるに値する作品だったと思う。

女性として、アーティストとして、監督のギャスパー・ノエをどう思います? 作品『アレックス』においては常軌を逸脱した9分間にもわたるレイプシーンを描いて多くの観客が映画館の席を外す事態に発展してましたが。

基本的に私は特定の監督のアプローチを評価するようなことは好きじゃないんです。彼が9分間そのシーンを描くことを決めたのだったら、それは彼の選択なのだし。観客にしたってそれを観続けるか映画館を出るかどちらの選択もできるわけですしね。

“最近では世界的に評価を受けている多国籍な映画をたくさん見ることができるようになったと思う”

あなたの人生の考え方に影響を与えた役柄というものはこれまでにありましたか? そして、その役をどのように演じましたか?

女優としてキャリアを積むということはフツーに多くのことを学ばされるものですよ。本能で行動している最初のころっていうのは、学んでいるとはほとんど言えなかったけど。若いころはたくさんのことをやってきたけど、他のやり方というのもあったと思うし、失敗が教えてくれたこともいっぱいありますね。

いまでは私の生活は子供中心になっています。母親として、彼らに対して責任があるんです。彼らが私を必要とするときはいつでも、彼らと一緒にいる保証ができるよう、細心の注意を払っているんですよ。

あなたの初期のキャリアにおいてトマス・ハーディの古典『テス』でロマン・ポランスキーと仕事をしていましたね。その経験から得たものとは何だったのでしょうか?

ポランスキーは偉大な人です。彼からは素晴らしい尊敬をもらいました。彼は私の指導者であり、彼こそが私をテスに返信させたのです。その経験は素晴らしかったし、あの当時は生まれ変わったような新鮮な気持ちになりましたね。私をシェイプアップしてくれたとでもいうのかな。

あなたが父上であるクラウスと親密とは言い難い関係だったことから、一緒に仕事をした監督たちに父親像を求めていたというふうに思いますか?

人々はずっと私と父との関係について尋ね続けているんですよ! そのことについてはもう十分書き尽くされてきているし、議論されてきていることなので、あえてまたここでコメントしようとは思いませんね。

私は一緒に仕事をする監督たちには常に尊敬の念を持っていました。彼らは私を女優として育ててくれたし、いろいろなことを教えてくれた。そのアドバイス、与えたくれたもの全てを大事にしたいと思います。

あなたの仕事に対するアプローチは結婚や子育てにどのように影響しましたか?

私の仕事に対するアプローチも私の人生も常に変化しているんです。私はいま仕事と家庭のバランスをとらなければならない。子供の進路が最優先事項ね。子供たちを長い間放っておくようなことになると私が必要とされている仕事にも集中できなくなる、ということが私にもわかっています。だからこそ私は「いい仕事」をすること、「母親を楽しむこと」の両方を達成するために努力しているということなのです。