Q 毎晩撮影の終わった後は何をしているの?
A 私は仕事中、すべてを打ちこんでやるほうだから、撮影が終わるとすごく疲労を感じてしまう。ローマの時は毎日仕事が終わると、すぐにローマ郊外にプロダクションが借りていた別荘にもどり、プールで泳いでから自分で簡単なお料理を作ってた。お料理もストレス解消の一つなの。ここマルセーユでは、ホテルで夕食をとることが多く、町のレストランはほとんど行かないわ。監督のジャン・ジャックやジェラールや、プロデューサーのリーズ、ロスから取材に来ているカメラマンとか、気の合った人達と時には一緒に食事をする。でも話題は仕事ばかりになっちゃって……。
Q 撮影の入っている期間は普段のあなたとちがいますか?
A 撮影中は役になりきっているから普段とはちがうと思うわ。やはり演技に対して自分でなかなか満足することができない。監督がすばらしいと言ってくれているのに、私のほうはまだ不満だったりするの。相手役のジェラールにも迷惑かけているし、監督を怒らせたりしてしまうことになるんだけど、私はすごい心配症なうえ、とっても神経質なのよね。でも毎日、ラッシュ見る度に、やっぱり監督が言ってたようにすばらしいってことよくわかるんだけど、翌日になるとまた心配になるのね。この性格はそう簡単には直らないでしょうね。
Q 相手役のジェラール・ドパルデューをどう思う?
A さすがフランスのトップ・アクターの貫禄充分ね。彼の優しさ、気の配り方、演技の余裕の大きさが、私をどれだけ勇気づけてくれたことでしょう。
Q 監督のジャン・ジャック・ベネックスはどんな人?
A ジェニアル!(天才的)私はロマン・ポランスキーやコポラのような巨匠たちと仕事をしてきたけど、ジャン・ジャックも彼等と同じランクに入る監督よ。すごく尊敬している。あんなに頭の回転の早い人は珍しい。彼が話しはじめると、みんな彼にひきこまれてしまうのね。ステキな人。
Q 今までで最も影響を受けた監督は?
A 一番印象に強く残っているのは、もちろんロマン・ポランスキー。彼とは「テス」の撮影に入るまえからよく知っていたんだけど、何しろ彼は大監督だし、「テス」は大型の映画だし、私は名もないただの女優のかけ出し。こわくって不安が一杯だった。お互いにあまり言葉を交わさなくてもいいくらいに、よく気心はわかっていたけど、緊張の連続だった。彼は独裁者といわれる程、個性の強い人だった。私にもすごくきびしかった。私はそういう監督のほうが好きなの。ジャン・ジャック・ベネックスもそうよ。言うべきときは私に容赦しない。ローマでもマルセーユでも、私が自己嫌悪におちいっているとよくどなられた。私にはそういう監督が必要なのね。そう強い人、男らしい人がいい。