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Nastassja Kinski

June 2004 Interview with Tony Bray

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狡猾なボルトン婦人(キンスキー)は若い王女に刃を向けるのを楽しんでいるようだ。おっと、ご心配なく。それはあくまでも演技の上の話である。

ロバート・ハルミ・ジュニアがホールマーク・エンタテインメントのプロジェクトで働き、『冬のライオン』『ディノトピア』『失われた帝国』『10番目の王国』を構想を練っていたとき、私は観客がアクションたっぷりで、アメリカの旅行者が行きたがるような異国の地の素晴らしい衣装が楽しめるものを待ち望んでいることを知っていた。ハルミとラリー・レビンソンはホールマークの新しいエキサイティングな冒険活劇である『レディ・ダルタニアン』を製作するためチームを結成した。この作品は6月20日(日)の夜8時からホールマーク・チャンネルでオンエアされることになっている。

ナスターシャ・キンスキーとのインタビューのために準備をしているとき、私は『レディ・ダルタニアン』のサンプル映像を鑑賞する機会に恵まれ、自分のやり方を権力をもつある地位に抑制している通りからきた危険な女性を演じる彼女を垣間見ることができた。

この作品を見るとき慎重にならざるを得なかった、ということに偽りはない。というのはマイケル・ヨーク/オリヴァー・リード/クリストファー・リー/リチャード・チェンバレイン/ラクエル・ウェルチという布陣で70年代に映画化された『三銃士』の映画のファンだからだ。リチャード・レスター監督によるこの作品でダルタニアン(ヨーク)は決闘シーンを面白おかしく演じ、見事三銃士への仲間入りを果たしたのだった。そのシーンには不思議と魅せられてしまった。この新しいホールマーク・チャンネルによる作品にも素晴らしい決闘シーンが含まれているということをここに報告しようと思う。数時間のあいだ、こういったアクションを繰り返し楽しむことが出来るだろう。

この新解釈版では、ヨークが再びダルタニアンを演じているが、今回は主役の剣術家としてではなく、ある美しい女性(ヴァレンタイン役でスターの仲間入りを果たしたスージー・エイミー)の父親として登場し、その娘はエリート銃士として認められる最初の女性になること夢見ている。銃士たちが若い女性を必要とするのか、さらに女性に素早い剣術捌きを求めるのだろうか? これが実は必要だったりするのだ。フランスの若きルイ16世(フレディ・セイヤーズ)はスペインの王妃であるマリア・テレーザ(クリスティーナ・クレペーラ)は対面もしないうちに、対立する国家同士を統一するため結婚を強制された。

私とキンスキー嬢とのロング・インタビューを以下にお届けする。電話の向こうの彼女はご機嫌であった。最近では子供たちが自分の出演作のほとんどをチェックしているということを知り、作品選びに慎重になっているという、慈愛深い母親である。

ナスターシャ・キンスキー・インタビュー

私は『三銃士』の大ファンなんです。マイケル・ヨークが出演したオリジナル版は私が見てきた中でも最高に楽しい映画だと思わずにはいられないんですよ。

あのときのマイケル・ヨークはとても若くて美しかったわね。

ちょうど2週間前に彼にインタビューしたんですよ。とても素晴らしい役者だし、声も素晴らしい。彼の声を聞くのが好きなんですよ。あなたの役は攻撃的でこそありませんが、この作品のなかでは卑劣な悪役になっています。ボルトン婦人は危険人物ですよね。

そうね。最初はこの役が気に入らなかった。他の『銃士』映画では登場人物は心に闇をもっていても、いくつかの場面で優しさの片鱗をみせるものだった。私の大好きなフェイ・ダナウェイがそうだったわね。かつて銃士のうちの一人を愛していたという、彼女の心の中での葛藤を観客に示していたの。私が思うに、彼女は銃士の娘であるヴァレンティンのようになりたがっていた。彼女のように愛されたがっていたけど、そういう生き方はできなかった。きっといままで誰も彼女の心に気づかなかったんだと思う。

ボルトン婦人は自分の地位を守るため殺人までも犯しますが。

彼女のそういう部分は嫌いよ。

面白いですね。ほとんどの女優は悪役を演じるチャンスを好むものですが。

前にCNNで『大草原の小さな家』に出ていたブロンドの女優を見たの。彼女は怒れる人物を演じていたわ。いかに幼少時に酷使され、現在でも子役出身としてしか扱われないし話題にならない、という重要な告白をしていたのよ。幼少時の子役としての体験が彼女の怒りを解放したんだと思う。

ボルトン婦人も時にいろいろなものを開放していますよね。撮影しているあいだは心が痛みませんでしたか?

撮影の間じゅう痛みっぱなしだったわ。でも悪くは無くはなかった。階段を下りているような感じよ。

敷石の上に見事に倒れこむシーンもありましたよね。

降板したいと思うこともたくさんあったわね。

この作品の製作過程で一番の思い出はなんですか?

この物語を発見したことね。私が若かったときのことを思い出して、女の子でも成功できる、改めて実感したの。ヴァレンティンはつらかったと思うわ。彼女はそれまで男の子のように振舞わなければならなかったからよ。私が若かったときももっと男の子っぽく振舞わなければと思っていたから他人事では無いような気がして。本当はそうしたくなかったのにね。したくないのにもかかわらず、私もそうしたことがあったの。だから常にいままでの自分よりタフな自分を演じることになった。でもヴァレンティンという人物について気に入っているのは彼女には良い両親がいるということ。彼女には彼女を愛する父と母がいる。彼女に何が起ころうとも、心の中に両親がいるかぎり何の問題も無いのよ。

マイケル・ヨークの妻を演じていた女優を私は知らなかったんですが、彼女は素晴らしいですね。二人が一緒に演じるシーンは一見の価値があります。彼らがヴァレンティンを愛していることを疑う余地がなかった。

ええ。彼女がどれだけ強い意志を持った良い人物であるかということをまさに表現していたと思うわ。これは家族向けの映画でもあり、女の子が見ても楽しめる作品だと思う。

過去にマイケル・ヨークと仕事をしたことがあるんですか?

ええ、あるわ。

何の作品で?

私は彼の娘を演じて、マイケルと彼の奥さんとすごく仲良くなったの(訳注:TV映画『ダニエル・スティール 標的』に出演したときのことを言っている)。私にとっては最高に素晴らしい人たちよ。いつまでも好奇心旺盛な人たちなの。お互い助け合ってやっているし。彼らと一緒にいるととてもインスパイアされるわ。

2、3余計な質問をしてもよろしいでしょうか。

いいわよ。

あなたのキャリアにおいて、初期にリー・ストラスバーグの学校で学んでいたということですが?

私は15歳だった。彼はそのときロスアンゼルスにいたの。私はちょっと怯えていたわね。みんなお互いのことをファースト・ネームで呼び合っていたんだけど、私はまだそこにいる人たちを知らなかったというのもあって。

リーは当時自分の講座に誰一人受け入れていませんでしたよね。あなたは自ら自分がそこにいる価値を証明しなければならなかったでしょう。

私は本当に彼の授業が好きだったからね。

あなたはロマン・ポランスキーにも師事していますね。彼を偉大な映画人に導いた物は何なのでしょうか?

彼はあらゆる視点からものを捉えていたわ.全く並外れたハード・ワーカーなの。やはりあらゆる分野で長いこと活動してきた結果ということでしょうね。才能、情熱に溢れているし、あなたも知っていると思うけど信じられないぐらいハードな人生を過ごしてきているわけ。彼の身に起こったことが私に同じように降りかかってきたらどうなるか想像もつかないわ。人間って人生を泳ぎきるか溺れ死ぬかどっちかだったりするけど、彼のような一部の人々は行き着くとこまでいって、全ての瞬間を重要なものにしてしまう。それこそが彼のやってきたことだと思うわ。

彼と一緒にいたとき、とても心地が良かった。でも彼に対して少し畏敬の念もあったわ。学べるものがあれば全てを学ぼうとしたし、理解するべきものがあれば全てを理解しようとした。ただそれらを吸収し続けたの。若いということもあったしね。彼の映画は全部観たわ。

何かが正しくなかったとき、彼は自ら「テス」に成りきった。これはジョークではないの。彼は実際に彼女のように演じたのよ。あのキャラクターに完全に成りきって、自分が捉えている彼女のやり方に従って動いたの。彼が言葉で説明するよりも良いということが私にもわかった。たぶん彼がタイプの違う俳優を扱うときのひとつの方法なんだと思う。とても挑発的でシリアスでありながら、同時に心地よさと信頼に満ちていたわ。彼はシリアスだったけど、本当に子供のような、少年のような熱意のある人だった。

あなたはもう一人の素晴らしい監督であるマイク・フィギスと、ウェズリー・スナイプス共演で『ワン・ナイト・スタンド』に出演していますね。あなたとスナイプスのラブシーンに時間を割き過ぎだとの不名誉な批評がありました。あの作品はある出会いがどのような影響を持つかということについて描いていましたよね。決して肉体的な関係ではなく。フィギスがそうような洞察に満ちている理由は何でしょうか?

私は彼を一人のミュージシャンとして見ているわ。全ての監督がそうであるように、彼も音楽の虜なの。私は彼の『リーヴィング・ラス・ヴェガス』が大好きで、音楽の生々しさというか、音楽の全てが詰まっている作品だと思うの。みんな何かが気に入っても監督以外のクレジットにはあまり注意を払わないとは思うんだけど。彼のように他人と全く違ったことしている人は賞賛されるべきね。

いままで共産主義の国家で仕事をした経験がありますか?

モスクワで仕事をしたときは、とても興味深い時間を過ごしたわ。ゴルバチョフが大統領だった。どこにも食料がなかったの。誰にも食料が与えられていなかったのよ。食料にありつくには闇と関わる必要があった。お店なんてどこもホントに空っぽだったの。映画のラストで、彼らはマクドナルドをオープンするのよ。感動的だった。ストーリーはとても長くて最後まで見るのは大変なのだけど。そのお店にさえ十分な食料を調達できなかったと思うわ。食料にありつく、ただそれだけのことがビッッグイベントだった。その直前までの私はパンにも焼き魚にも不足していなかったというのにね。何日かは何かしら食べる物が会ったけど、他の日はポテトぐらいしかなかった。気持ちの通ずる何人かの友達もできたし、その方法においては変革といえるものが確かにあったと思う。あの場所が好きだったわ。文化も芸術も人々も全てが大好きだった。

あなたは本当に多くの経験をしてきていますね。本日はお時間をいただき本当にありがとうございました。

こちらこそ。楽しかったわ。

ナスターシャ・キンスキー・インタビュー(了)

ホールマーク・チャンネルは「父の日」に立ち上げたスペシャル・サイトに『レディ・ダルタニアン』の情報をフィーチュアしている。予告編やほかの出演者のインタビューが楽しめるようだ。『ロマン・ポランスキー・ヴィジョン・サイト』では彼の最新のプロジェクト情報を得ることが出来る。