グザヴィエ・ロンバード(ダニエル・オートウィユ)はロンドンに住むフランス人の私立探偵。昔は警官だったが、今はホテルで人妻の浮気の現場を抑え、小銭を稼いでいた。
ある時、警察時代の友人カルロスが彼に調査を依頼する。自分の義理の弟レオンが失踪し、その行方を家族のシュビッツ夫妻が知りたがっていたからだ。カルロスの妻デボラ(ナスターシャ・キンスキー)の話では写真展を開くための資金1000ポンドを持ったまま、行方が分からないという。一家は裕福だったが、レオンはドラッグ中毒だった時代もあった。早速レオンの部屋に行ったロンバードは、留守番電話に伝言が入ってないのを不審に思い調査を進める。彼はその部屋で『眠れる森の美女』のビデオケースを発見した。
ロンバードは、やがて、レオンの電話請求書の転送先から割り出した、ある住所を手がかりに車を走らせる。その地には、事件の鍵を握る女性エミリー(カトリン・カートリッジ)という名のレオンの恋人が、海辺の家でひっそりと暮らしていた。その家には、レオンが少年売買から救った、何かにひどく怯えている口のきけないシバという少年もいた。レオンはその少年と生活費1000ポンドを彼女に託したまま、一ヶ月前から姿が見えないという。エミリーは、レオンから絶対に他人に渡すなと言われた『眠れる森の美女』のビデオをロンバードに託した。だが、そのビデオには恐るべき映像がおさめられていた。それはセックスの対象とする少年虐待のやりとりを捉えたあまりにもむごい光景だった。ロンバードはデボラとシュビッツ夫妻を訪ね、レオンが想像以上に危険な事件に巻き込まれているかもしれないという、事件の途中経過を報告しに行くが、夫妻とデボラの間には気まずい雰囲気が流れていた。
少年をめぐる深い謎。危険だと知りながらこの事件の追跡をやめることができないロンバード。その調査の協力をパリ時代からの友人の娼婦ナタリー(マリアンヌ・ドニクール)に頼むが、裏事情に詳しい彼女は深入りしない方がいい、とロンバードに警告する。しかし、彼の決意は固かった。少年売買に関係するらしい受け取った電話番号にダイヤルを回すと、おそろしい質問が返ってきた。「どんな子犬がいい?」少年売春の現場に乗り込むため、ロンバードはしぶるナタリーに資金を借りる。
怪しげなホテルに到着すると、そこにはいたいけな表情をした少年が待っていた。ロンバードは監視の男たちを銃で撃ち、少年を外に連れ出す。そこで“オーストリア”と呼ばれる黒幕の男がいることを知る。そんな彼を待っていたのは、思わぬ悲劇だった。闇組織の秘密をもらしたナタリーは制裁を受け、自分の部屋で血だらけで倒れていた。自分のために口を割らず、死んでいった心からの友人のために涙を流した。しかし、今も“オーストリア”と呼ばれる男のことがよく分からない。
負傷した彼を慰めてくれたのはエミリーだ。少年たちを彼女の家に預け、ロンバードは事件の糸口をつかむため、メキシコに旅立つ決意をする矢先、彼の仕事ぶりに不信を抱く夫妻は彼を解雇する。デボラは、かつて、夫カルロスの証言のおかげでロンバードが罪をまぬがれた事件のことを激しく責めた。彼女にも隠し事がありそうだが、はっきりと聞き出すことはできなかった。
メキシコの地に降り立ったロンバードは、そこで、幼児売春を仕切るフリードマンという名の男に出会う。彼は幼い子供たちを外国に売買し、それで大金を動かしていた。その秘密を握ったレオンは組織に殺害されてしまったのだ。売春を何とか阻止しようとしたロンバードだったが、ギャングの一味に捕らえられ、牢に入れられる。
彼の脳裏に浮かぶのは、自分の目の前で死んだ妻と幼い娘の姿だ。警察時代に起きた事件の報復で、犯人たちが車に爆弾を仕掛け、彼は家族を失ったのだ。そして、今でも失った子供への思いは断ち切れない。そんなロンバードはメキシコ人の少女に助けられ牢を脱出し、フリードマンからレオンの殺害のことを聞き出す。彼は迷わず男に銃口を向けた。
ロンバードの帰りを温かく迎えるエミリー。だが彼女の恋人レオンはもう戻ってこない。二人の孤独な心は近づいていった。一度は依頼主に解雇されながらも、メキシコまで調査に行き、その結果をデボラとシュビッツ夫妻に報告に行くロンバード。夫妻は彼の行為に感謝の言葉を贈る。
これで全てが終わったかに見えた。しかし、その夜、エミリーの家で恐ろしい事件が起こる……。