Jalouse Magazine (France)

October 2006

ソーニャのプライベート・ノート

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ナスターシャの娘、そしてクラウスの孫娘にあたるソーニャ・キンスキーが秘蔵のフォト・ダイアリーを公開してくれた。刺激的な毎日が繰り広げられる「美しき」ハリウッドの世界に飛び出したこの20歳の新人女優に注目してみよう。

ナスターシャ・アグライア・ナグジンスキは1961年の1月24日に生まれている。1975年にその名をナスターシャ・キンスキーに改めたのは、その激しさで知られる怪優であり、父親のクラウスの影響だった。少々荒れた少女時代を送った彼女は(そのおかげで不自由なく5ヶ国語を操るようになる、という恩恵を受けるのだが)13歳のときにヴィム・ヴェンダースの『まわり道』で老人と旅する聾唖のジャグラー役でデビューする。1976年にはモデルとしてのキャリアをスタートさせたが、ある日のパーティでロマン・ポランスキーと出会うのだった。1979年、彼の念願だった『テス』の主役に抜擢され、映画はオスカー6部門にノミネートという成功を納めた。1982年にはアメリカで活動する人々から注目され、まずフランシス・フォード・コッポラが彼女に大西洋を渡らせた。同年にはポール・シュレーダーによるエロティック・ファンタジー『キャット・ピープル』で、動く者すべてを襲う凶暴なパンサーに変身する猫族の少女を演じた。その後ジャン・ジャック・ベネックス『溝の中の月』、ヴェム・ヴェンダース『パリ、テキサス』、アーサー・ジョフィ『ハーレム』、ジャック・ドレー『恋の病い』などに出演している。

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LAのミュージシャンの男友達、女友達の写真がスケッチブックの中で幻想的にコンパイルされている。ソーニャは自由にそれを切り取り、貼り付けて…自分の詩を加えている。

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神秘的な時間、セクシーな女友達、ラウドな仮装パーティ、抽象的な落書き…ソーニャは現実と幻想をミックスする。

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Krrghhruggllbrrrrmllgghhjiiibruiiiiaaa ... あれ、故障? ノイズ? 巻き戻してみるか? いったん停止して最初から…ってこれが最初か! ソーニャは我々を恨むだろう。ある人の娘(あるいは孫娘)だということは言うまでもなく、このような無礼に耐えられる女優はまずいない…。ソーニャの好奇心旺盛ぶりが母親のそれと同じなのは偶然の一致ではないだろう。まさに遺伝なのではなかろうか。彼女はわざわざ振り返るまでもなく、ナスターシャ・キンスキーが残してきたキャリアの評判とインパクトを理解している(もしくは理解していると信じている)のだ。しかしソーニャにとっては「美しきアイコン」である自分の母親の歴史に例え5分間でも飛び込むことが重要なのである。

多少の美しさと自信を備えていれば…

ソーニャが一人の女性であるとしても(まずは神に感謝しておこう!)、その人柄、溌剌とした性格、その成熟度からすると、彼女のへその緒を切ってしまうのにはまだまだ早すぎる。実際にはもちろん切られているわけだが。(訳注:家系の話と切り離して語るほどソーニャの個性は確立されてない、ぐらいの意味か? なんか辛口ですねこの記事)。ソーニャには彼女の家系がもつ影が見え隠れしているし、そのオーラを将来備えるだろう(コップの水は「もう」半分か「まだ」半分かといった話ではあるが)。それは彼女の全身に纏わりついているのだ。彼女はそれを振り払いたいと思っている。とはいえ、その話題について避ける様子もない。学校で文学について学んだ後、彼女はようやく序女優の道を歩むことに決めた。彼女は「美しい」のかもしれないが、自分のことを「未知数」だと思っている。特殊な少女時代の記憶がその殻を破ることを阻んでしまっているという。しかし彼女はそれ以上のことを話さない…。美しいとか素晴らしいとか言われることが内気なソーニャには逆にコンプレックスになってしまったのだ。いまの彼女には明るい未来があり、上昇志向もある。

ソーニャはどんな人物なのか? 悩める若者なのか、穏やかで大人びた少女なのか? 少々“ADHD”(注意欠陥多動性障害)っぽいところがあるかもしれない。衝動的で手に負えないほど、良く言えばやたら活発に、ソーニャは何かにハマっていることが多い。彼女はこれまでわざわざ誰かの注意を引く必要もなかったのだ。いまでは母親の撮影に着いていくことはなくなり、自分の撮影のために出かけている。

K Town Superfrogでの初めての役

「日記をいつも持ち歩いてるの。持ち歩ける自分の庭みたいなもので、基本的に毎日そこで遊んでるみたいな」。ソーニャはそこに読んだ本の感想を書いたりする。「エドガー・アラン・ポーと彼の全ての『短編』は奥深くて描写に優れている。1枚の写真のように、あるいは大きな壁の一つ一つのレンガのように。いくつかの作品はカムフラージュされ、ポエムは明確な方向性をあえて打ち出していない」。ソーニャはよく本を読む。音楽も聴く。「ボブ・ディラン、デヴィッド・ボウイ…私の特殊な少女時代を形成した重要な音楽ね…。私にはずっと父がいなかった。それは代償の効かないものだけど、スティーブ・ゴールドウィン(『エターナル・サンシャイン』のプロデューサー)は父親の代わりになってくれたわ。彼が“K Town Superfrog”に出てみないか、って言ってくれたの」。「映画館通いにもハマってて、かなりの量を観ている。私はスイスで生まれて、6歳までローマで育ったの」。ソーニャは男達の闘いを観るのが好きで、ロバート・デ・ニーロ主演、マーティン・スコセッシ監督の『レイジング・ブル』に感動し、マーロン・ブランドの感情豊かな演技、アル・パシーノの力強い演技に圧倒されるという。「最近は祖父ともいっしょに仕事したヴェルナー・ヘルツォーク作品に出会ったわ」

母は祖父を憎んでいたようだけど、私自身は申し訳ないことに祖父に興味があるの。私の友達も彼がいかにすごい人間だったか教えてくれたわ。私はヴェルナー・ヘルツォークが監督してクラウス・キンスキーが主演した『アギーレ/神の怒り』の一ファンよ」。歴史的な映画である『アゴーレ』はコンキスタドール(訳注:16世紀にメキシコ、中央アメリカ、ペルー文明を征服したスペイン人)にスポットを当て、聖地エルドラドを目指しアマゾンを進む男達の物語である。アギーレはスペインの王朝、そして神に反逆を起こすのだ。「これは反逆の映画よ。祖父についての映画ではないと思うけどな?」それは真実ではない。彼は自身の持てる力でその役を完璧なものにしたのだ。彼の全人生がこの映画に詰まっている。マキャベリズム、閃き、狂乱状態。しかし、この作品はリアルであり、その撮影は常に真の危険に晒されていたのである。

ソーニャが影響を受けたもの

ソーニャはさらに我々を驚かせる。「私はアレイスター・クロウリーのファンでもあるの。1920年代の大魔術師で、多重人格で、チェスの達人で、登山家、詩人、画家、ドラッグ狂信者でもある彼のね。彼はオカルトの本で有名だけど、セレマの聖典になってる『法の書』は全然違うのよ」。ソーニャは感動を求め続けている。そして闘いを求めてもいる。彼女はドラッグ、詩、映画の間で揺れ動いている。人の意見に耳を傾けることもあるが、それに流されてしまうわけではない、ということを彼女は自分でわかっている。おそらく。私たちもそう思う。彼女はよくわかっていると。そうこうしていると、ソーニャはクモに刺されてしまった。「あなたたちは刺されてないの? もうこんな場所は嫌、怖い生き物がそこらじゅうにいるんだもの。パリに引っ越したい」

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「私はアレイスター・クロウリーのファンでもあるの。1920年代の大魔術師で、多重人格で、チェスの達人で、登山家、詩人、画家、ドラッグ狂信者でもある彼のね。彼はオカルトの本で有名だけど、セレマの聖典になってる『法の書』は全然違うのよ」ソーニャ・キンスキー

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