TEENVOGUE FEBRUARY / MARCH 2003

「みんな私を見かけるときは、いつもジーンズを履いてると思うわ。家にいるときはペイパー・デニムだし、学校にはセヴンを履いていくし、お出かけのときはダークで堅めのフォン・ダッチを履いてるの」
Sonja Kinski

この世界以外の人々にとっては、ナスターシャ・キンスキーは「テス」や「キャット・ピープル」のような80年代の古典的名作で知られる美しい女優、という認識であろう。16歳のソーニャ・キンスキーにとっては、彼女は母親だ──娘が参加するイベントには必ず同行する母親であり、家の外では娘にミニスカートを履かせない母親であり、自分のボッテガ・ヴェネタのトレンチコートやTSE(SAY)のセーターをしまいにはソーニャの普段着にさせてしまう母親である。

「私のママって、セクシーなイメージを持つことに全然興味がないみたいなの」とソーニャは言う。「独特で、上品なものが好きなのよ」。なるほど、この高校2年の女の子は「独特」で「上品」であると同時に(この二つの言葉はたぶん彼女がそれについて説明するのに最初に思いついたものではなかったはずだが)彼女なりの明確なセンスを持ち合わせている。ヴィンテージなデヴィッド・ボウイのTシャツと数えきれないほど持っているジーンズを合わせたソーニャを見かけることも珍しいことではないだろう。「いつでもジーンズを履いてるわ、家にいるときはペイパー・デニム、学校ではセヴン、それとダークで堅めのフォン・ダッチ(最近のお気に入り)がお出かけ用ね」。これは必要に迫られてのこだわりのようだ。「身長が177.8センチもあるの!」と彼女は言う。「自分の丈に合うジーンズをいつも探し廻ってるわ」。

「ソーニャのカジュアルでシックなものを好むのは、セクシーなものが嫌いだからというわけではない──実際には全然違うのだ。「黒のネクタイで行くようなイベントだったとしても、ほんとはドレスを着ていきたいな」と彼女は言う。「ママのダイヤのイヤリングと床まで届くドルチエ&ガッバーナのガウンを借りてね。きれいで深いレッドのやつでね、オードリー・ヘップバーンが着ていたような感じなの」

Sonja Kinski

ロサンゼルス育ちのソーニャは、常に音楽の影響を受けてきた。以前はヒップ・ホップを好んで聞いていたが、いまはクラシック・ロックにハマっているという。彼女のレトロなロックスターTシャツ・コレクションを見ればそれは明らかだ。「私が聴くのは、レッド・ツェッペリン、ヴァン・ヘイレン、スコーピオンズ、ストーンズ、あとはピンク・フロイドかな。Tシャツもたくさん持ってる」と彼女は言う。もし彼氏がストロークスやヴァインズなどの最近のバンドのファンだったとしても、ソーニャの好みは変わらないだろう。「いまの音楽は70年代のロックと比較できるものでさえないでしょ」と彼女は言う。

彼女の言葉は自信たっぷりに聞こえるかもしれないが、ソーニャがいつも周りの流行に影響を受けないというわけではない。「前はめちゃくちゃカッコに気をつかってたわ」と彼女は言う。「でも自分の好きなものを着ればいいじゃんって思うようになったの、学校のみんながどう思ったって気にしない」。

それでも限界はある。「絶対に着たくないようなものもなかにはあるの。ママの足首までスカートとかカラーのシャツとかは死んでも着れない」と彼女は言う。「ママには似合うんだけど、私が着ると私立学校の生徒みたいな、なんか『ある愛の詩』の登場人物みたいになっちゃう」。逆にソー ニャのお気に入りの中でママが着たがらないものは? 「AC/DCのTシャツかな」。変わらないものもあるのだ──ラシダ・ジョーンズ